君を核に持った優しい宇宙がそこにできていた

ふとしたとき、本当に何気ないタイミングで、例えば電子レンジで豆乳を温めている1分30分の間とか、帰宅して玄関のドアを開けるために鞄から鍵を取り出す反射行動の最中とかに、人生における不愉快な場面を思い出してグワッと来てしまうけど、あのときどうしてあれを嫌だと思ったのかと過去の自分と見つめ合うことで過去の不愉快さを消化できますように。思い出してしまうのは脳の営みで、私にはどうしようもない事象なので。

今日は「結婚式に呼ぶ友人の数がn桁以上になった」と喜んでいた人について思い出して、人脈の広さを誇示する行為が私は嫌いなのだと自覚した。

まぁねーでもねー結婚式を「どんなに取り柄のない人間だとしても一日だけは主役になれるパーティ」だと解釈すればそれも許せるような?どうだろう?取り柄のない人間が主役のパーティ、って字面がひどいけども。

私が自分の結婚式をしたい気持ちがないのは「自分をめちゃくちゃ取り柄のない人間だと考えているからパーティをする資格もないと考えている」か「結婚は一組の男女に起こる出来事であってその二人以外に影響を与えるべきものではないと考えている」かのどちらかなのだとぼんやり探った。

「自分をそれなりに取り柄のない人間だと考えているから自分のためのパーティ、あらゆる祝福行事をもちろんしたい」というタイプの人間であればもっと生きるのが楽だっただろうと思ったけどそんな……なんか厚かましくない?と訝しむ時点でそのタイプになる素質が私にはない。ペンギンは空を飛ばなくてもいい。泳ぐの速いし。

「自分を取り柄のない人間だと考えている」人の周囲で、そんなことないよ、いろいろおめでとうね、と耳打ちして去るくらいのふわっとした妖精でいたい。

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「あのとき君の周りからサッと人が引いたように感じたのは、君が皆に嫌われたからではなくて、君を世界から守りたくて、君と世界との間に空間をつくってあげていたんだよ、ちょうどカエルの卵やチアシードみたいに、君を核に持った優しい宇宙がそこにできていたんだよ」って元カレに言われる夢を見て私は元カレを神格化でもしてるのだろうかと不思議だった。確かにあの頃、あの人の言葉はいつでも正しい響きをもっていたなぁ。